コラム

さざれ石


今年の正月は宮崎県日向市の大御(おおみ)神社に初めてお参りに行った。というのは、去年のラグビー日本代表がお参りしたことで有名になった事と、国歌に出てくる日本最大の「さざれ石」がある神社であり、大分から片道2時間と割と手軽だったからだ。 さざれ石とは、もともとは小さな小石のことだが、その小石が長い年月をかけて一つの大きな岩の塊に変化した「石灰質角礫岩(かくれきがん)」を歌詞でいうところの「巌」というらしい。

神社にそう変わりはないと思って行ったのだが、良い意味で予想を裏切られた。大御神社は太平洋を望む海沿いの大変気持ちのよい高台にある。風水もよいのかなどと考えながらお参りの行列に並んだ。長い行列であったが、舞台では舞を舞っているし、太平洋の押し寄せる波(宮崎はサーフィンのメッカである)を見ながらで退屈せずにすんだ。境内の隣には鵜戸神宮の摂社もあり、岩の間には社もある。神道は巨岩や海、巨木などの自然に存するものを神様として祭っているものも多く、それが日本人の心に不思議と共鳴するような気がする。また神道は宗教色を極力消している。そのためか日本人は尋ねると無宗教と言うが、神社はコンビニよりも多く約8万件全国にあり、お寺も8万件弱ある。両方で約16万件になる。すごい数だ。
 
現代は新しい状況・技術・考えが沸くように生まれていて、世の中知らないことだらけだ。また知っているつもりでも四季に生きる木々のようにその時期・時代により変化していく。今年の課題(テーマ)をどう捉えていこうかと考えた。そのためには自分の経験だけでなく、他者の経験を取り込んでいく必要がある。いわば言葉による疑似体験である。しかしこれが不得意な人が多い。自分の経験だけで物事の判断をする。そしてその自分はほとんどチャレンジをしたことがなく、失敗=ネガティブイメージだけで生きている。そういう人の判断はほぼ何もしないという判断になりがちである。そしてそのうちに時代から外れていくことになる。

挑戦、失敗は成功の種である。失敗をせずに成功した人はいない。日本のトヨタ、アメリカのアップルでさえ、一度はつぶれかけている。2020年オリンピックの年、働き方、若者の意識、AI、スマホ、SNS、世の中を大きく変えるものに満ちている。私は思ったほど才能がないと感じているが、思ったよりもチャレンジングであるとも感じている。止まってはいけない。質を変えていかなければならない。良い年を作ろう。ちなみに私のおみくじは久々の大吉であった。感謝!

渕上コラム「変える言葉」