コラム

RPA(ロボテック プロセス オートメーション)


RPAというもののイメージがつかめないので、セミナーに参加してみた。そこで感じたことは大きなテクノロジーの進歩が土台となり、小さな多くのテクノロジーの開発により、世の中の多くのことが相乗的に変わってくる可能性があるということだ。土台となる5Gが当たり前になり、AIが普及するにつれ世の中が変わっていく基礎が出来る。ある程度の期間が過ぎると、結果としてかなりの変化が起きると思われるが、それを実現し支えるのはRPAなどの小さなテクノロジーの集まりだ。

RPAはもともとオフィス業務の自動化・効率化をする仕組みだが、簡単なものから複雑なものまでさまざまなものがあるようだ。大企業ではすでにかなり積極的に導入されており、かなりの成功例もあるようだが、専門のSEがいないと難しいようだ。中小企業ではこれからだ。政府の働き方改革の実現は、ただ定時になったら電気を消すというようなどちらかというと無理矢理なんとかしようというやり方より、RPAなどを普及させていくことの方がより現実的で具体性がある。もちろん無理矢理というやり方も仕事に優先順位を付けさせるという意味では有用ではある。このRPAを使い、一つの作業で仮に5分短縮できれば、10人いる職場では50分、100人いれば500分の短縮になる。短縮できる作業を1つから10,20と増やせば当然にその効果は増大することになる。その結果同じ成果をだしながら、仕事は早く終わるということになりうる。

経理・総務の世界で言うと、すでにパソコンの導入、インターネットバンキング、自動仕訳、各種の新しいソフト、RPAと効率化ができる素材が目白押しだ。これを妨げるのは新しいことはやりたくないという常に出てくるつぶやきだ。結果としてかなり短縮されるとしても、そのためには今ある仕事をこなしながら新しいことをしないといけない。それが嫌というのだ。これを聞くと朝三暮四という中国の故事を思い出す。

これは飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に3つ、暮れに4つ与えるというと猿が少ないと怒り、朝に4つ、暮れに3つ与えると大変喜んだというもので、目先の利害のとらわれて、結局は同じ結果になるのに気がつかないという意味だが、目先の事にとらわれて未来のことをおろそかにするという意味では同じと感じるのだ。

松下幸之助氏がこう言っている。「志低ければ、怠惰に流れる。」とうざのことで物事を判断していけば、結局今のままがよい、何もしないがよいとなってしまう。未来を見据えた使命感をもつことが目先の損得よりよい結果をもたらすと信じる。

渕上コラム「変える言葉」