企業が戦略を考えるときに必ず考えないといけない問題として経営資源があります。経営資源とは、一般的には「ヒト、モノ、カネ」とか、これに「情報、時間」を足して5つあるといわれますが、最近はこれに「知的財産」を加える場合もあります。しかし中小企業は未だに「ヒト,モノ,カネ」で動いているケースが多いように思われます。
簡単に説明すると、「ヒト」とは一般的には正社員のことをいいますが、人的資源なのでパートやアルバイト、派遣社員なども含むことになります。この「ヒト」をどうするかが経営の一番重要な課題になります。しかし特に高度なスキルや判断力、指導力を持った「ヒト」はなかなか得られないものです。この優秀な「ヒト」をどうやって採用するのか?どうやって育てるのか?どうやって他社に外注してもらうのか?など「ヒト」の問題が多くを占めるのは当たり前のことです。次に「モノ」はパソコンや車、機械、工場、事務所など有形なものが多いのですが、ソフトなどの無形のものも含まれます。「カネ」は当然に資金のことですが、株式や債券など数日でいつでも換金できるモノも含まれます。
次に「情報」というとわかりにくいですが,顧客データやノウハウなどを指します。これにブランドを入れる場合もあります。企業には独自の経営スタイルによる経営管理情報が存在するのです。「知的財産」とは特許や製造方法などを指します。最後に「時間」ですが、一度過ぎてしまうと取り戻せないと言うことが特徴です。企業にとってはスピードは大変重要です。
経営資源はどんな企業においても常に足りないということが大前提です。そのためどの経営資源をどう有効に使うのかという戦略が必要になるのです。そのため誰をターゲットにするのか?どこに売るのか?どれ位のスピードでやるのか?という絞り込みが絶対必要になるわけです。そのため経営計画というものがあり、多くの企業が実行しているわけです。経営資源の中でも他の経営資源をすべてカバーできるといわれるものが一つあります。それは「ヒト」です。優秀なヒトがいれば、他の経営資源はすべて対応できると言われますが,実はもっとも足らないのも「ヒト」なのです。これは中小企業において特に顕著で、これが中小企業が低成長から脱することができるポイントにも成ります。
いかに足らないヒトを使って,足りる事業を行うのか、ここに事業計画の要諦があります。事業計画の意味を理解できない者は成長できるチャンスを失うのです。