早いもので令和元年の仕事も今週で終わりだ。近年経営で最も大きく変わったことは、人口減少に伴う人手不足だ。どの企業の話を聞いても異口同音、「人がいない」という。人がいないために24時間1年365日店を営業していることをポリシーとしていたコンビニも時間短縮や休みをとるようになった。結果としてこれは良いことかもしれない。
しかし今の人手不足は5年程度続くが、10年後にはまた状況が変わるかもしれないと言われている。AIの進化で今度は人が余るのだ。2008年のリーマンショックの後を思い出してほしい。人余りだった。2000年あたりもそうだったし、考えてみれば日本経済は人余りと人不足を繰り返している。
人が不足すれば、それに対応する新しいサービスができる。人不足がひどいほどその導入に拍車がかかるのだ。そうすると人を減らすサービスが功を奏し、結果、今働いているサラリーマンの多くが職を失う。最近でもメガバンク三行だけで、3万数千人が減らされる予定だ。中小企業は経営者が何とか頑張って雇用を支えているが、従業員も変わらないと結局支えきれない。
これからのAIを利用する時代に必要な社員はどういう社員なのだろうか?実は各業界で共通していることがある。それは企業の理念に従って、自ら仕事をつくりだす社員だ。仕事を作り出すとは顧客にもっと役に立つ仕事に変化するということだ。それが結局社会をよりよくする重要なファクターになる。時代はどんどん変化するが、多少の行き戻りがあっても必ず進歩する。まだ問題は山積みだが、統計によると現代は希望に満ちた時代なのだ。
企業の運営も、独裁的な企業からできるだけ民主的な運営へ移行する。これができる組織は良好な企業になる。なぜなら、今からの優秀な社員と言うのは自分を成長させてくれる企業、ステップアップできる企業に入りたいからだ。社員は一つの企業に隷属的に雇用されるのではなく、互いに互恵関係にある必要がある。いつも怒鳴られながらやらされる企業で働くか、自ら進んで仕事にチャレンジしながら成長していく企業で互恵的に働くかチョイスだ。しかし、怒られないでかつ互恵的でなくて働ける企業はないことは存在できないことも理解しないといけない。来年はどちらをチョイスするのだろうか?