コラム

会社が消える日


行動経済学で著名な神田昌典氏と、派遣業で初めて上場を果たした若山陽一氏の対談は、「今の形の会社は2024年までになくなる」という衝撃的な内容であった。
こうきくとそんなばかなと思うかもしれないが、よく考えてみると納得する事も多い.

私が会社を作ったのは平成4年だが、週休2日を最初から導入しようとした。その時周りから言われたのは、「そんなに休みを多くすると仕事が回らないぞ」という意見だった。しかし、会社は3年で売上が倍増した。今では中小企業でも週休2日の会社も多くなった。残業も減ってきた。しかし、まだ有給の取得率は50%以下で、3年連続世界最下位である。しかし、これからの若い世代はこの問題もクリアーしていくと思われる。日本人からすれば働かないイメージの強いヨーロッパの国々ができて日本ができないとは思えないからである。

これも早めに対応できた会社が人の採用でアドバンテージを受ける事ができるだろう。
そうするとフルタイムで働く正社員とフルタイムパート、派遣社員との差はなんだろう?今でもたまに時代錯誤のような「食うために働く」という社員を見かけるが、これからの正社員は会社の理念・ビジョンに賛同して、それを実現するために共に働く社員となる。「本来の正社員」の像になってくるわけである。理念がすばらしいと素晴らしい社員が採用できる可能性は高い。

神田氏は、一時期すべての業務をネットワークを使い外注でやっていた。すごく優秀な人が多く、仕事は期限までにきちっと所定の仕事をこなしてくれる。正社員のように忙しいとかできないなどの言い訳も一切ない。
また教育も必要ない。しかも単価が安い。いいとこだらけだったが、一つだけ課題がでた。それは神田氏がやめればすべて終了してしまい、継続性・永続性がないと言うことだ。

現実の業務の多忙さに埋もれることはある程度は理解できる。日本の企業はどうでも良い業務が多すぎる。しかも、トップや幹部に年齢のせいかもしれないが、ITを駆使し、システムを作り上げ、同じ事を短時間でやり上げようとする考えが足りないことも確かだ。
新しいことは、前より基本的に良いものと私は考えている。なぜならそうでなければ時間と金をかけ作る必要はないからだ。使いにくいというようなクレームは必ず出るが、時が解決する。自分の好き嫌いで考えるのではなく、必要なものは取り入れてもらいたい。

渕上コラム「変える言葉」