コラム

やりきる力


組織が成長するためにかかせないものがある。それは事業計画書で決定された役割・目標業務をやりきる力である。経営者、従業員にこれがないとどんなに練り上げられ、計算された計画もただの紙切れになってしまう。成長している企業はこのやりきる力を持っているのだ。つまり実行力の差がすべての土台なのだ。

ペンシルバニア大学のダックワース教授が、シカゴの大学で調査したところ、やり抜く力を持つ学生は退学せずにきちんと卒業していく確率が高いことが分かった。やり抜く力は後天的に身につけられる事もわかり、知識や才能がなくても強く意識して実践すれば、物事を成功に導けると言う。

ダックワース教授は、やる抜く力の要素として次の4つを挙げている。
① ガッツ:困難に立ち向かう「闘志」
② レジリエンス:失敗しても諦めずにつづける「粘り強さ」
③ イニシアチブ:自らが目標を定め取り組む「自発」
④ テナシティ:最後までやりとげる「執念」

さらにこれらの要素を伸ばすために次のことが必要だとしている。
① 興味があることに打ち込む
② 失敗を恐れずチャレンジする(挑戦せざるを得ない環境をつくる)
③ 小さな成功体験を積み重ねる。
④ 「やりぬく力」がある人のいる環境に身を置く。

さらにもう一つ大事なことがある。それはトップダウンで実施するのではないということだ。やり抜く力の4つの要素は素晴らしいことだが、他者から強要されたら大きなストレスになる。しかしそれでも自分で動こうとしない人にはどうすれば良いのだろう。

やり抜くときに大事なのは、ゴールや夢を持つことだ。一つのことを苦しいと感じずに続け、やりぬくためには夢、希望、興味、金銭などが必要だ。ビジョンの共有とよく言うが、それは会社の夢を社員が理解することであり、社員の夢もその中に同居させることである。社員の中にはそんな夢よりも今日の飯と言う人も多くいるかもしれない。そういう人達には、会社の夢に、少しの興味を持ってもらいながら、付き合ってもらうしかない。付き合ってもらえなければ会社は成立しないのだ。

渕上コラム「変える言葉」