コラム

自然淘汰説


自然淘汰説とは、進化を説明するうえでの根幹をなす理論だ。ダーウィンとウオレスによってはじめて体系化された。その考え方は単純で、個々の新しい変種、最終的には個々の新種が生み出され維持されるのは、競争相手となる種類よりも何らかの利点を有しているからである。一方、そうした利点のない種類は、ほぼ必然的に絶滅することになる。これが基本的な考え方だ。

ダーウィンの「種の起源」は、予言の書とも言われ、生物学のみならず多くの学問に多大な影響を及ぼしている。ダーウィンは、環境変化に適応したものが生き残るのではなく、たまたま生き残ったものが世代を超えて環境に適応していくと考える。そのため、厳しい生存競争を生き残っていくためには、全体としてのダイバーシティ(多様性)が重要になる。ダーウィンの言う進化とは、進歩ではなく、変化を意図している。

日本企業は100年以上継続する長寿企業が約3万3千社と世界一多い。特に製造業、小売、卸売業、宿泊・飲食業に多く、サービス業は少ない。サービス業はそのサービスの中身が大きく変化していくからだろう。

長寿企業が多い理由としては、一つは平和が長く続いたことがある。二つ目は企業活動が投機を自制したことが上げられる。家訓などで本業に徹してきたからだといわれる。しかし、その本質は事業を長く継続することが閉鎖的であった日本社会にとって何らかの利益をもたらした、つまりこれまでの日本社会に適応していたからだという自然淘汰説からの推測も出来る。従って世界に開かれた現代になると、長寿企業も厳しくなる。

最近の例でいうと、金剛組がある。飛鳥時代にできた日本最古の企業だが、倒産の危機となり、他社の支援を受けた。その他には酒屋がある。一時期焼酎というものが勢力を伸ばしてきて、造り酒屋の廃業が相次いだ。しかし、その後の品質の改良と世界戦略で新しくその地位を確立しつつある。酒の小売も形を変えた。小売の多くは、コンビニに業態変更した。昔ながらの酒屋はその姿を消しつつある。

これからわかることは、改善ではなく変化することを前提としたマネージメントをしていかないと長期にわたって生き残れないということである。さて貴社は従業員と一緒に変化できるのか、問うて欲しい。

渕上コラム「変える言葉」