コラム

仮説


皆さんは仮説を立てて生きて行っているだろうか。人生には仕事、家族、趣味などいろいろあるだろうが、こうしたらこうなるだろうと未来の姿をまず描き、それに向かって努力をしながら生きているのだろうか?ちなみに私の人生の仮説の中で最も大事なものは「自由」と「時間」である。この「自由」と「時間」を基本として解答をチョイスしている。従って従業員の時間もできるだけ奪わないように、実用な仕事さえこなせば時間の融通が利くように物事をすすめている。

50年ほど前女性はほとんど専業主婦であった。時間と金を使い教育を受けたが専業主婦になる。私にはそれは非合理ではあった。学歴が飾りにしかなっていなかったからである。それが今は、ほとんどが共稼ぎである。これは人口減少に伴う働き手の確保策としての女性の社会進出という政府の後押しでもある。ということは、今は夫婦二人で仕事をし、子育てをする社会なので企業もこれに対応しないといけない。また一人親も多くなっているのでこれに対応しないといけない。さらに親の介護の問題もあるのでこれに対応しないといけない。つまり企業は各社員の普通の生活が成り立つようにしながら、かつ業績も上げないといけないという新時代のテーマに向き合っているのである。それ対応できないと、若い社員は誰も来ない会社になる。

「時間」に関しては、仮に皆さんが80歳で金持ちだとする。その時、もし神様が全財産を差し出せば、望む年代にしてやると言われたら、たぶん多くの人はそうするのではないかと考えている。そうすると、人生では、お金より時間が大事だと人は考えていることになる。若者はその一番価値あるものを消費しているために輝いて見えるのではないかと思う。

この時間という概念は、仕事で考えるとよくわかる。時間を働いている人から奪っている企業は、いわゆるブラック企業で、今の若い従業員は定着しない。時間の有効活用ができる企業は人がやめない企業である。今はそういうマネージメントができる企業に人が集まり、成長ができている。しかし、一方仕事をどんどんしたい人はそうさせてあげないといけない。経営やそのための仕事においても仮説を立てると立てないとでは大きな違いが出る。有名な話ではリクルートを作った江副さんは、会社を作るとき10年で100億円企業を作りたい。そのためにどうするかということを徹底して考えたという。彼はリクルート事件で退いたが、目標から逆算するという考え方は、今も多くの支持を集めている。自分の働き方は自分で選べる時代になって欲しい。

渕上コラム「変える言葉」