コラム

災害


日本列島は災害の多い島だ。まず地震がある。時々海外のスポーツ選手が日本に地震があるので来るのが怖いと言っているのを聞くと、何で?と思うことがあるが、世界のマグニチュード6以上の地震の約2割程度が日本で起こっていると聞くとなるほどとも思う。これはプレート(地球の表面を覆う岩盤)が4つも日本列島の下にあるためらしい。海外ではほとんど地震の起こらない地域もある。そのため石で出来た数千年前の遺跡が残っているのだ。

次に津波がある。これも海に囲まれている以上地震が起きれば避けようもない。それに今月多発した集中豪雨もある。日本列島に高い山が多いからだが、もし山がなかったら雨はあまり降らず森に覆われることもないらしい。また台風もある。つまり日本は基本的に災害列島なのである。そのため外国に較べて日本人の持つネガティブなマインドはこの常に災害に見舞われるという気候・風土が関係していると説明する学者もいる。しかし、逆の視点もある。だからこそ豊かな森、温泉や多くの食材に恵まれた豊穣の国になっているというものだ。モノには必ず二面性がある。

実は災害に対する対処法は国によってかなり違う。3.11の東北地方を襲った津波の跡を見に行くと、海は見えず、コンクリートでできた高い堤防しか見えない場所もある。これで安全になったと国は言うが、別の見方によると、津波という災害を受け街は消滅し、その後の防災対策によって海が消滅したとも言える。そんなところに誰が住もうとするだろうか。現実、今はお寺や公園になっているだけだ。ハワイは太平洋のど真ん中にあり、世界中の津波の被害を受けやすいが、コンクリで覆われた海などはない。自然をコントロールしようとするのではなく、自然との共存の姿勢が明確で、人々の住居は高台の方へ移り、低地には店などの諸施設が残っているが、いざ津波が起こると逃げる道路が整備されている。

日本のようにいくらコンクリで固めても、将来大きな災害が起こると「これまで経験をしたことのない未曾有の**」というような表現がされるのだろう。未来永劫災害は0にはならない。もし住民のためでなく、土木業者のためなら本末転倒だし、土木業者も造るならもっと役に立つものを作りたいと考えているはずだ。なぜなら建造物はずっと残るからである。梅雨は明けるが、具体的な対応策は示されるのだろうか。国民もいいかげんに0でないとだめだというような考えを変えて行かなければいけない。この世に0というものはないのである。

渕上コラム「変える言葉」