コラム

マスコミ情報の受け取り方


日本のマスコミ情報の特徴は、多くのテレビ局、新聞・雑誌が特定のある情報に対してほぼ同じ内容の情報を提供し、あたかもそれがすべての真実であるように受け手もとっている人が多いということにある。つまり情報操作しやすいのである。戦争中がそうであったし、今のコロナに関してもそうである。海外、例えばアメリカでは新聞により言っていることは真逆だということはよくある話で、海外経験のある人は、日本の新聞・雑誌は見ない。本当のことは書いていないから、自分で調べるという人も多い。

また人は、自分の都合の良い情報、自分の価値観に合う情報は探して見るが、自分の意見・価値観に合わない情報はシャットアウトするという特徴を持っている。最近の例でいうと、高齢者の自動車事故だ。マスコミは高齢者の自動車運転は危ないから免許を返納するようにと高齢者の起こした事故について詳細に報道する。しかし実際は、とびぬけて事故率が高いのは10代で、他の年齢の2~3倍ある。しかし、マスコミは「若者は免許を取らないように」とか、「免許の取得年齢の引き上げ」には触れない。また実際に75歳を過ぎると、高齢者の事故も25歳から29歳とほぼ同率となり、少しずつ上がっていくが、85歳以上になっても20~24歳の事故率よりは低い。人により元気さは異なるし、町に住んでいる高齢者は車の運転の必要性はあまりないだろうが、地方に住む多くの高齢者は車がないと生活に支障をきたすだろう。しかし町に住む子供がお父さんもう運転やめてといっても、実利をとる年寄りは無視する。そこで子供は頑固で困るということになる。

テレビなどで見せられる情報は、国などの方針をマスコミが配慮するという場合が多くある。高齢者の免許の返納を促したければ、テレビで高齢者がアクセルとブレーキの踏み間違いでコンビニにつっこんだなどと、ことあることに高齢者の事故だけを放映し、一方、若者の速度超過による死亡事故は大きいものを除き取り上げなければよい。ただこれから高齢者は増加する一方のため、当然に対応すべきことは多いと思う。

コロナについてもひどい人ばかり放送するが、実は普通はそうでない人が多いだろう。しかし、もっと注意して欲しいという意図があると、かかっても元気だという人は放送されない。注意を促すことがメインで、正確な情報は提供しない。しかし、今の若者はそれくらいのことがわからないわけがない。従ってあまりテレビの言うことは信用しない。よく若者が飲み歩いてコロナを拡散すると言われたが、結局一番飲み歩いていたのは中高年だったとも聞く。正しく情報を伝えることが一番重要だが、大変難しい。

渕上コラム「変える言葉」